near連携と世代バックアップ
追記
※個人情報にトップブリーダーでの情報漏えいについて追記
モンスターレーダーで捕獲に必要な情報は記しましたので、最後に付加機能についての考察と、世代バックアップ方法について記しておきます。
モンスターレーダーは、基本的には一人で遊ぶゲームです。移動距離や時間が関係するため集中してやれば早く終わらせられるというゲームではありません。そのため育成要素もあるのですが、更に競うことで飽きさせない工夫と、他者との情報交換も行える仕組みも持たせています。
near
週刊トロ・ステーション第97号のSCE訪問の中で、SCEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平という方が「「モンハン」などの持ち寄って遊ぶ楽しさを早い段階にSCEから提示できなかった」と反省点を語っています。また、「これまでもリトルビッグプラネットシリーズなどでゲーム内の仕掛けとしてそれ(コミュニケーション)ができましたが、そういった仕掛けを各ゲームごとやメーカーで用意すると、かなり大変なんです。だからPSVitaではあらかじめコミュニケーションツールを用意してあります」とも言っています。それがnearというPSVITAで導入された仕組みだと思われます。
PS3発売時に始まったPlayStation Network(以下PSN)はフレンドという仕組みでSNSのようなものを形成できるのですが、PSVITAではPSNアカウントにPSVITAで取得できる位置情報を組み合わせて、それをサーバー側で分析、集計して可視化することで、どのゲームでも使えるプラットフォームとしたことが、画期的なことだと思います。
ただし、その位置情報を収集する手段として有用なGPSが、スマートホン用デバイスを流用したため3Gデータ通信とセットとなってしまい、更にDoCoMoに乗せられ3Gデータ通信契約が前面に出てしまったので、PSVITA 3G/Wi-Fiタイプは普及していません。
「携帯=高額な利用料」という図式で子供の携帯電話料金の支払いに悩まされた思いから、子供にPSVITA 3G/Wi-Fiタイプを買い与える親はいないでしょう。地元の西友でもゲーム機とゲームソフトを扱っていますが、PSVITA Wi-Fiタイプは置いてあるものの、PSVITA 3G/Wi-Fiタイプは扱っていません。こちらのページから「3G/Wi-Fi機能紹介」のガイダンスムービーを見ても、DoCoMoの通信プランの説明が前面に出ており逆効果です。
iPod touchやiPadも同様に3GとGPSがセットなため、WiFiモデルにはGPSが付いていません。一部位置情報を使ったゲームもありますが、Apple IDは課金のための仕組みで、利用者のつながりとなるSNS的な使い方はアプリ開発者には提供されていません。GREEなどのように自社で会員の仕組みを作れば可能ですが、どこのソフトメーカーにでも出来ることではありません。
nearはPS3発売以来の膨大な会員を持つPSNアカウントと位置情報を結びつけることで新たな可能性を見いだせるプラットフォームなのに、3Gが足かせになっており、残念なことです。nearの普及には、スマートホン部品の流用を止め、GPS内蔵のPSVITA Wi-Fiタイプが発売されるまで待つことになるでしょう。
話が逸れましたが、こちらにnearについての簡単な説明があります。nearでは、nearを起動して位置情報を送信した場合、または、自動起動で、その時PSVITAの持ち主がいる位置を送信した場合、サーバー側で位置情報とPSNアカウントを分析、集計して、
- その周辺でのゲーム毎のプレイヤー数のランキング
- その周辺のPSNアカウントの位置情報
- その周辺で各ゲームから不特定多数に向け送信された贈り物
が表示されます。サーバー側で分析、集計という点で、Nintendo DSシリーズの「すれちがい通信」とは根本的に違います。また、位置情報を収集できないPSPでは出来ない芸当です。(WiFi通信によるPlaceEngineや外付けGPSなどの方法はありますが、モバイルルーターや公衆無線LANとの契約などのオプションがいろいろ必要となります)
nearを通じて自分と同じゲームをプレイしているゲーム仲間を、自分の住んでいる地域で見つけることが出来ます。同じ学校の生徒かもしれませんし、全く面識が無い人かもしれません。しかし、同じ趣向の持ち主ということでフレンドになれる可能性が高く、リアルでのコンタクトも可能となるのです。これは位置という情報がもたらすものです。
もちろん、これらを好まないなら、位置情報の提供を止めたり、nearの自動起動を止めたり、nearでの公開を制限したり、プライバシーエリアを設定することで特定の地域だけ情報公開を制限することも出来ます。
おでかけ
モンスターレーダーには、モンスターにアイテムを持たせて「おでかけ」させることが出来ます。上記のnear連携の機能ですが、nearを起動すると、「おでかけ」に出ているモンスターを発見することが出来ます。モンスターレーダーを持っていれば、「おでかけ」に出ているモンスターを自分の研究所に迎えて、アイテムを貰う代わりにメッセージを返すことが出来ます。また、アドレス帳に登録したり、相手の研究所の状況を見ることが出来ます。もちろん、相手のPSNアカウントがわかりますのでフレンドになることも出来ますが、アドレス帳に登録し、モンスターを相手の研究所に「おでかけ」させることで、フレンド登録しなくても情報のやり取りは出来ます。アイテムをあげる代わりに情報をもらうという「つまらない物ですがと贈り物をまず渡す」日本的なやり取りであり、フレンド登録だけでは出来ないことです。
ただし、RMT(リアルマネートレード)によるモンスターのやり取りが出来ないように、渡せるのはアイテムだけです。
トップブリーダー
「会議室メニュー」の「周期表を見る」で「モンスター周期表」を表示し、モンスターをタッチすることで、捕獲しているモンスターについての詳細情報を見ることが出来ます。「オンラインで確認」をタッチすると、そのモンスターについて100位までのトップブリーダーを見ることが出来ます。他者と競うことを想定しているようですが、ここから相手の研究所の捕獲情報を知ることができ、入手出来ていないモンスターについて「おでかけ」を使って情報を教えてもらうことも出来ます。
個人情報
モンスターレーダーは地域性が強いため、個人情報の流出が気になります。他者の研究所が見れるということは、自分の研究所も見られるわけで、PSVITAがOFFの場合でも見れるよう、研究所の情報がサーバーにコピーされていることになります。
他者の研究所を見てわかるように、見れる情報は通常は、下記の2点です。
- モンスター周期表による種の捕獲状況
- 保育器画面から見れるモンスターの外観(成長による外観の変化と着せ替え)
ただし、ある種のトップブリーダーとして100位以内に入ると、下記の項目も見えてしまいます。
- モンスターに付けた名前
同種のモンスターを捕獲しておく場合、区別のために「〇〇銀行〇〇支店」とか「〇〇郵便局」とか名前を付けても、通常はモンスターの名前を見られることはありませんが、トップブリーダーのランキングに入ると、モンスターにつけた名前、研究所名、PSNアカウントが、ランキングとともに表示され、誰でも見ることができる状態になります。ランキングに入るほど成長させた場合は注意が必要です。
nearで近所のプレイヤーに自分の住居が知られてしまいますが、プライバシーエリアを設定していれば、設定した地域ではnear上では匿名で表示されるようになり、「おでかけ」に行かせたモンスターは、そのエリアの人からは見えなくなります。
モンスターレーダーまとめ
PSVITA発売に際し、ハードの特性を生かしたゲームがいくつか発売されました。モンスターレーダーは、以前、PSPのx-Radarのキャンペーンで行われたことを、PSVITAの位置情報収集機能を生かしてゲーム化したものです。しかし、3G/GPSデバイスをスマートホン用部材と同じQualcommのMDM6200を利用したがために
3G契約=高額な利用料=PSVITA 3G/Wi-WiFiモデル
という図式が消費者の中に根付き、GPSが普及せず、モンスターレーダーの面白味が広がらないのが残念です。DoCoMoは「定額データプラン128K」を発表しましたが、消費者に植え付けられた印象を払拭することは難しいと思われます。「b-mobileSIM(イオン専用)」という方法もあります。
モンスターレーダーは全般的にスクリーンショットが禁止されています。モンスターの絵柄などを掲載するのを許可していないと取れますので、写真でも掲載出来ず文字だけの分かり難い記事になってしまいました。トップブリーダーで「Sol研究所研究所」という研究所を見て頂ければ、モンスターを最終段階まで育成し、001から100まで5匹ずつ順番にA~Tの保育器に入れてありますので、画像を掲載出来ない分、直接、モンスターレーダーから確認して頂ければと思います。
世代バックアップ
以下の事項について、私は成功しましたが、他のPSVITAで出来る保証はありませんので自己責任で実行願います。
PSVITA全体のバックアップは10世代まで世代バックアップが行えますが、各ゲームに関してはコンテンツのバックアップとしての考えしかなく、セーブデータの世代バックアップは考慮されていません。特にオートセーブのゲームではセーブデータを1つしか持てないため、やり直しが効かなくなります。モンスターレーダーもオートセーブなのでセーブデータは1つしか持てません。
バックアップの取り方は、前回の記事に記したようにコンテンツ管理アシスタント(以下CMA)をインストールして行いますが、同一のPSNアカウント、同一のPSVITAなら、単にファイルのコピーで複数世代のセーブデータの保存が可能のようです。
Windows 7で説明します。右下の通知エリアの「コンテンツ管理アシスタント」を探します。
「コンテンツ管理アシスタント」を右クリックして表示されるメニューで「設定」を左クリックします。
CMAのデータが保存される場所が表示されます。そのなかで「アプリケーション/バックアップファイル」とある項目のパスを確認します。ここでは、「H:\CMA Data\Backup\PS Vita」となります。
エクスプローラーでそのパスを開きます。更に、その下の「APP」の下の長い英数字のフォルダーの下に降ります。長い英数字はPSNアカウント毎に付けられる名前なので人によって違います。その下の「PCSG00024」がモンスターレーダーのデータです。
このフォルダーを別の場所にコピーすることで、世代バックアップが出来ます。
モンスターレーダーのデータだということは、「PCSG00024」の下の「sce_sys」を見るとモンスターレーダーのアイコン画像が見れますのでわかります。
CMAはフォルダーを監視しているようなので、必ず、下の状態でCMAを終了させてからコピーして下さい。
私の場合、その日、捕獲してきたあと、スリープから復帰させたらモンスターに逃げられていました。バックアップは前日の物しかなく、捕獲してきたモンスターと逃げられたモンスターのどちらが重要か判断するにも逃げられたモンスターがわからないので、バックアップから復旧すべきか判断がつきません。そこで、
- 「PCSG00024」フォルダーを別の場所1にコピー
- PSVITAのコンテンツ管理でモンスターレーダーをバックアップ
- 「PCSG00024」フォルダーを更に別の場所2にコピー
- 別の場所1から「PCSG00024」をCMAの場所にコピー
- PSVITAでモンスターレーダーを削除
- PSVITAのコンテンツ管理でモンスターレーダーをPCからPSVITAにコピー
場所1にコピーした昨日のデータで確認したところ、逃げ出したのは近所で捕獲できるモンスターとわかったので、
- 別の場所2から「PCSG00024」をCMAの場所にコピー
- PSVITAでモンスターレーダーを削除
- PSVITAのコンテンツ管理でモンスターレーダーをPCからPSVITAにコピー
で、今日の状態に戻しました。
現在、このデータを使い続けていますが、大丈夫なようです。
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